保健室オアシス

昨日は夏休み延長が終わり、娘は友達と会えるのを楽しみにしながら登校日を迎え
いつもより少し早く家を出た。

登校して30分後、学校から電話がかかってきた。


「保健室の○○です。●●ちゃん熱はないのですが気持ち悪いと言っていて保健室で休んでいます。
少し顔色も悪いようなので、できればお迎えにきていただけませんか?」

今まで学校から体調不良で電話などかかってきたことがなかったので驚き、不安になった。

昨日は朝から会社のプロモーションビデオ撮影が控えていたので、開始前に行かないとと思い、
急いで自転車で学校へ向かった。

こういうときに限って電動自転車の充電を忘れて重いペダルをこいでいることもしばしばあるのだが、

丁度充電した直後でホッとして漕ぎ出したのもつかの間、後ろのタイヤの空気が抜けているようで段差があるところを通るたびに鈍い音で跳ねる。



25キロの重さを後ろに乗せたらパンクするだろうな。。



と別の不安を抱えながら到着。


迎えに行く道すがら、なんとなく体調不良の原因がわかった気がして、そのころには気持ちが落ち着いていた。

ただ、不規則な生活をさせすぎたせいだ。

保健室に着くと、持って行ったばかりの防災頭巾を頭の下に敷いて、机にうつぶせになっていた。


自己管理ができるようになってほしいので、ある程度の時間で寝なさい、歯磨きしなさいということは言うが、基本的に娘に任せている。

寝ないと次の日どうなるか、歯磨きしないとどうなるか、自分が経験しなければわからないと思うし

正直、そこまでべったりする時間もない。


「生活が夜型になっていたので、久々の早起きとちょっと消化の悪いものを食べて身体がびっくりしていたのかもしれません。」

保健室の先生にありのままをお話しした。

先生は優しく、
「お母さん来たから帰ろうか。先生、宿題預かっておくね。」と娘に話すと、やや寝ぼけ眼で身支度をしはじめた。

「おそらく今から教室に行くと心配されたり、色々言われちゃうかもと不安に思っているかもしれないので、お迎えに来ていただけて安心しました。」

先生はそっと私に言った。
こんな状況下だし、友達に心配をかけたり目立つのが嫌いな娘にとっては早く帰って明日に備えて休むという方がよい


先生も私と同じように考えてくれていたことにホッとしたし、保健室の先生ってこんなに優しかったんだと初めて知った。



私が小学生の頃は保健室の先生はすこし怖いイメージがあって、
むしろ体調を崩しちゃいけない=保健室は極力行ってはいけない(行きたくない)場所だったのだが

娘の学校の先生は子供の気持ちに寄り添ってくれていた。


娘にも学校という社会の中で自分のことを理解してくれる方と出会い、そういうオアシスのような場所ができてよかったなと思えた。



先生に挨拶をしてその場を後にすると、既に娘は顔色が良くなっていて、小走りで校門を開けにいくくらいで


(元気じゃないか。)

と内心思いつつ、



「今日はゆっくり休んで明日元気に登校できるようにしようね。」と言って自転車の後ろに乗せて戻った。

ボコボコと鈍い音を鳴らして。


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