「ママやめたい!」ママ社長が実際に1週間「ママ業務」をお休みしてみた結果
働くママにとっての悩みは尽きない。
「育児と仕事を両立したい、両立する方法はないのだろうか。」
事業が軌道に乗ってきてから、「仕事」と「育児」の両立がさらに困難に
「仕事」と「育児」を両立したいから会社を辞めた。
育児休暇取得後、できる限り娘の傍で過ごしながらママとしての時間を過ごしながら仕事をしたいという考えに変わり、復帰をやめて退職したが、
正直軌道に乗せるまでは娘を伴っての商談、移動などお金も時間も体力もすり減って
「なんでこんなに大変なことをしているんだろう、もう仕事やめたい」と思った時期もある。
しかし、徐々に仕事が軌道に乗り始め、娘とコミュニケーションが取れるようになり思うように仕事ができるようになってきたときにまた新たな壁が立ちはだかる。
小学2年生の壁
娘が小学校2年生になり、自分の仕事の範囲も広がっていくのと同時に自分の中で決めていた仕事と育児の「両立」の基準を満たせなくなってきた。
娘にも自我が生まれ、好きなYouTubeやゲームなどをする日々。習い事や宿題を見る時間、洗濯や食事の量も増え、こなすのに時間と労力がかかるようになったのと同時に、年齢と供に衰える体力。
そのもどかしさを毎日抱えながら、過ごしていた時にある日自分の中でのモヤモヤが核となり、爆発した。
突然のXデー
「もう、ママやめたい!朝に起こすことも、宿題をやりなさいと言うことも、お風呂に入りなさいということも何も言わない。勝手にしてください」
思わず口に出てしまった。
ある日曜日、イベントの仕事から帰宅したら娘がパジャマのまま私を迎え、主人はそれを何も注意をせず自分の作業に没頭しているという状況。
聞けば娘は歯磨きはもちろん宿題すらしておらず、ただひたすらYouTubeを観て過ごしていたのだろうと容易に想像ができた。
いつもなら「早く宿題やりなさい!」と一喝して済むのだが、その日は日頃のストレスや疲れが一気に爆発してしまい何も言えなくなってしまったのだ。一人近所の実家に逃げ込むように向かい、母と何気ない会話をして頭を冷やしてから数時間後に家に戻ると娘は「まずい」と思ったのか着替えをし宿題をやり始めていた。主人は隣で宿題を見ていた。
そんな状況を見ても私の決意は変わらず、何も言わずに夕飯を作り始めた。
その日は寝るまで何もせず、何も言わなかった。プラス思考の娘は翌朝になればケロっと忘れていつものような慌ただしい朝になっているだろうと予想をしていたが
翌朝、娘は自分で起きて準備をし始めた。
いつもなら服も私に選ばせたり、ハンカチは、ティッシュはと急かされるまで準備をしない娘もこの日は違った。私が作った朝ご飯をしっかり食べ、何事もなかったかのように「いってきます!」と笑顔ででかけていった。
私も口数は少ないながらもいつもとおなじような振る舞いをした(つもり)だが、それが余計にちょっと拍子抜けしてしまって、娘を送り出してからなぜか自分のスエードの靴の手入れをした。
(玄関の汚れ、ごみが気になるが、掃除はやりたくないからやらない)
2時半過ぎ
普段は学校の帰り道にお店に寄る娘が、家に帰宅していたようでFaceTimeが鳴る。
電話に出ると「ただいま〜」とニコニコしている。
(努めて普段と変わらない素振りを見せて、ご機嫌を取っているようだ)
ピアノの練習してから3時15分くらいに行こうかなーと言うので「わかった」と言って電話を切る。
3時過ぎにお店に来る。
何もやることがないと文句を垂れながら、公園に行き、友達もおらずまた文句を垂れながらお店に戻ってくる。
4時過ぎあたりに外に友達が見えたようで公園に遊びに行く。宿題はやっていない。
(私はずっと気になっているが口にしない。)
6時をすぎて残業をしていると、暇なのか家に帰ると娘が言って帰って行った。
6時半に私が帰宅。
夕飯を作る。時間になってもYouTubeを観ている娘。宿題はやっていない②
夕飯食べるけど、と言ってみたけど
「お腹空いてない」の返事
やむなく一人で食事を済ませてお風呂を沸かす。
7時に内職さんのところに行く用事があり、40分程度外出。
帰宅してもYouTubeを観ている。宿題はやっていない③
ママ先にお風呂に入るね、と言うと
「一緒に入る」
と言うので、お風呂に入りながら待っても来ない。
お風呂の外からはリビングでYouTubeを観る音が。
そのままお風呂から上がり、ママ終わったよと言うと「はーい」と言ってようやくYouTubeを止めて一人でお風呂に入る。宿題はやっていない④
ここまでくると、ことごとく私の期待をいろいろと裏切ってくるあたりがむしろ面白く、頼もしく思えてくる。
こうなったらどんどん裏切ってこい!
8時半 お風呂から上がるとお腹が空いたと言い出したので、
ママは食べ終わったから自分でやってと、タッパーに出しておいたご飯とおかずをレンジで温める。
(レベル1 の夕飯放置)
卵かけご飯にして食べ、自分でお茶も注いで飲んでいた。
夕飯を食べ終わると、いつもならお皿を置きっぱなし、飲み物飲みっぱなしのくせに片付けて(洗い物はしていない)ようやく宿題をやり始めた。
9時 ようやく宿題をやりながら
漢字テストだったこと、
ジャンケンで勝って赤ペンをもらったことを話し出した。
昼休みに大縄をやって楽しかったと話をしている。
話しながら手が止まっているが、早くやりなさいとは言わない。
モヤモヤはしていたが、娘の成長を少し垣間見て1日を終えた。
「ママ、やめたい!」ママ業務をお休みしてみてどうなった?
自分の期待をとことん裏切ってくることが、怒りから「頼もしい」に変わる。
ママをやめることで、子どもが自分でなんとかしなきゃと思うのか、子供自身が何かと自分でやるようになる。
日々子供に注意していることが伝わっているのかどうか不安になることもあったけど、ちゃんと自分でやればできるということがわかり頼もしく思えてきた。
子供に対して過度に期待しすぎている自分が変わる。
子供に対して気が付かないうちに、自分がやってほしいことをやってほしい‟タイミング”でやってもらいたい、そんな期待をしていることがある。
子供にも子供のペースがあるので、子供のやる気が出るまで待ってみると意外と時間はかかってもやり遂げる力がついていることがわかり、そういう意味での期待をしすぎないようになった。もちろん仕事をしていると時間に追われて難しいときもあるが、そういうときは自分の思うようにやってしまって、私のように「ママやめたい!」と思ったときにだけでも、やめる代わりに少し心の余裕をもって見守ってみるといいのかもしれない。
旦那が「ありがとう」と言った。
普段あまり「ありがとう」ということを言わない旦那が、初めてありがとうと言った。
何気ない一言だったが、これはとてもうれしかったし、頑張ろうと思えた。
やめてみてわかったこと
●娘が自分で起きれて、時間内に支度ができるようになっていた。
●自分の怒りが熱しやすく冷めやすかった。(私の場合)
●予想を上回って子供が成長していた。
●旦那が「ありがとう」と思ってくれていた。
「ママやめたい!」と思ったときはぜひ一度やめてみて!
上記でお話ししたように、子供の成長を感じることで、まず自分自身がこれまで子供に教えてきたことがリアルでわかるし、反省すべき点が見えてくる。
子供は自分の予想をはるかに超えるスピードで成長しているし、自分もそれに合わせて子供を見守る大人として成長できるから、子供にとってもママにとっても、そして普段の生活が見えにくいパパにとってもよい機会になると思います。
子育ては楽しみながらが一番!笑顔いっぱいで過ごせるように、やめたいと思ったときには思い切り休んでみる。時に休憩をしながら自分らしさを失わず、充実した日々を過ごしていきましょう。
T&E Japan株式会社代表